2024-12-8『地にも平和がありますように―系図から』山口紀子牧師

聖書 :マタイによる福音書1:1-17 

  ユダヤ人読者を想定したマタイは、彼らにとってとても大切な系図から福音書を始めました。1章1節にはこの福音書の全てが集約されています。イエスはアブラハムの子孫であるユダヤ人であること。「ダビデの子」(「救い主」の称号)であること。そしてイエスはキリストであることです。
 キリストとは苗字ではなく「救い主」の意。これはイエスこそ待ち望んだ救い主だという信仰告白なのです。
 マタイはまた系図を14代に分けてイスラエルの成長、没落、暗黒の時代を表します。その「暗闇」に住む民に光が昇りました。神は民族の栄枯盛衰に関係なく御心を成就する力と熱情をもっておられるのです。
 それにしても、神の時は私たちの感覚と比べてなんと長いことか。それを心に刻みましょう。神の時が満ちればそれは必ず成るのですから。だからただ主を畏れ、闇を歩く時にも主に信頼します。
 さらにこの系図には普通は記さない4人の女性が記されます。彼女たちは全員異邦人。マタイではこの後異邦人の博士がイエスを礼拝し、聖家族は異邦人の地ガリラヤに住み、復活したキリストは地の果て・異邦人に福音をのべ伝えよと命じます。つまりマタイは一見ユダヤ人好みの系図を記しながら、この福音がユダヤ人の枠を超え全世界へ広がることを示したのです。もはやこの系図は私たちと無関係ではありません。キリストを信じる者にとっては、信仰によって私たちにつながる系図、私たちも約束の相続人なのです。

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