2026-3-8『聖霊に禁じられた道』山本修一師

聖書:使徒言行録16:6-10

本日は、「聖霊に導かれた」ではなく、「聖霊に禁じられた」という、聖書の中でも珍しい表現に目を向けます。

聖霊は本来、正しい道へと導くお方であり、行く手をさえぎる方ではありません。ましてやパウロほどの人物であれば、伝道旅行の計画の段階から豊かな導きを受けていたはずです。そんな彼が突然、進む道を禁じられたことは大きな驚きであったにちがいありません。

第二次伝道旅行の途中、パウロたちは「聖霊に禁じられた」という経験をします。行くべき道が閉ざされ、次にどこへ向かえばいいのかわからなくなるのです。その結果、彼らはトロアスに導かれ、そこでパウロはマケドニア人の幻を見ることになります。この出来事を通して、神の新しい導きが示され、福音はついにヨーロッパへと渡っていきました。まさに歴史が大きく動き始めた瞬間でした。

 私たちの人生にも、祈っても道が開かれず、不安や戸惑いに包まれる時があります。しかしパウロの経験は、神が私たちを拒んでいるのではなく、よりふさわしい場所へ導くために一時的にストップさせられるのだと教えます。「聖霊に禁じられた道」とは、道をふさぐことではなく、「より良い道」「新しい召し」「神の最善」へ導く入り口なのです。

 さらに大切なのは、聖書がその理由を説明していない点です。パウロも問いませんでした。ただ神を信頼し、黙々と従ったのです。ここに彼の成熟した信仰が示されています。私たちもまた、閉ざされた道の向こうにある神の最善を信じて歩みたいものです。

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