聖書:詩編34:1-11
「味わい、見よ、主の恵み深さを」。ではどんなときにそれを味わうのか。順風満帆で何の問題もないときではありません。1節の表題によるとダビデがサウル王に命を狙われ敵国へ逃げた時に詠った歌だとあります。そこですぐにダビデと見破られ、とっさに気がふれたフリをして難を逃れることができた、その時の歌です。
絶体絶命のピンチで九死に一生を得たダビデは、言葉の限りを尽くして主をほめたたえます。なぜなら「…主は私に答え、あらゆる恐怖から助け出してくださった」から。
彼の体験は同じく恐怖の中にある者の体験と共鳴します。病気の恐怖、手術前の恐怖、災害の恐怖、大切な人を亡くす恐怖、失敗する恐怖…あらゆる恐怖が昔も今も私たちを取り囲んでいます。
しかしそこから主が助け出してくださった!詩人は災いの最中でその度に主を呼び求め、主をほめ称えつつ主に委ねて生きてきたのです。詩人は信仰者の人生には悩みや苦しみがなくなるとは語りません。むしろ、その生涯につきものであるとさえ言います。
しかし神は、ご自分の前に砕かれた心の近くにいまし、悔いる魂を救ってくださるというのです。
いま、様々な不幸や貧しさや苦しみに打ちひしがれている魂に向かって、作者は自らの経験から、これらの言葉を語っているのです。
